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学園綱領 人間たれ

 本学園の綱領「人間たれ」は、学園の基礎が出来つつある1950(昭和25)年10月に学園綱領制定委員会が招聘され、委員全員の無記名投書の中から初代学園長五嶋孝吉が選定し、宗村佐信初代理事長が承認したものです。 学園綱領「人間たれ」は、当然、本学園の設立当初の建学の精神を反映しており、それを体現する一貫性のある園児・児童・生徒・学生を育てていくための我々の実践的な指針になっています。

博愛的な学園綱領「人間たれ」

 学園綱領「人間たれ」は、「博愛精神(主義)」に貫かれています。それはいかなる時代が来ようとも変化することのない普遍性を示しています。初代学園長五嶋孝吉によれば、学園綱領「人間たれ」は、「世の移り変わりがどのように激しくとも人間教育のアルファであり、オメガであるものと確信している。その意味するところは広く深いが、『愛は最高なり』ということと相通ずるものである。抜群の才能を持ち、正義の人であっても愛がなかったら、すべては空しいことである。どのように科学が発達しても、また秩序整然たる社会が作られても、愛がなかったら空虚で不気味であろう。勝者の権力も敗者の愛情に遠く及ばない」と述べています。

 学園綱領が制定される2年前の1948(昭和23)年に暁学園の校章である「四ツ葉のクローバー」と「学園歌」が制定されました。学園の校章である「四ツ葉のクローバー」は小学校の男児の帽章から端を発したものですが、四つ葉はそれぞれ「愛情」「希望」「信仰」「幸福」を表しています。信仰は特定の宗教的な意味合いを持つものではなく、人間や自然に対する尊厳、崇高な畏怖と解釈されます。

 暁学園の「学園歌」は学園創立2周年を記念して同年6月20日に制定されましたが、作家石川達三の作詞による歌詞の第3番には「摘めば萎るる花よりも愛は真珠の輝きぞ」とあるように「博愛精神(主義)」を象徴するがごとく高らかに謳い上げています。

平和と民主主義を希求する学園綱領「人間たれ」

 暁学園は、1946(昭和21)年に敗戦による世相の混乱と思想の混迷の中で創設されました。設立趣意書には、「民主主義の理解徹底並びに文化国家の新生は現下の日本国民の教育水準の一段の向上が絶対の要件であり」との熱き信念が窺がわれます。「明け方、夜明け」を意味する暁という学園名を冠し、「将来日の出の勢いをもって発展する」ことを願ったものです。その礎には民主主義日本の建設はわが国に課せられた最大の要請であり、二度と戦争を起こしてはならないという強い平和への希求があります。当時、軍需産業に転用されていた工場(平田紡績)の寄宿舎を校舎に開放して「これから真に苦難の道である日本を背負って立つ若人の教育の場」に供するとともに「二度とこんな過誤を繰り返さないしっかりした平和への強い信念を学びとってもらおう。」(初代理事長)と決意されたものです。そうした伝統は現在小学校におけるユネスコ寺子屋運動や語り部から学ぶ四日市空襲を語る会の開催、中学校・高等学校の2学年の広島平和学習、3年制高等学校の沖縄平和校外学習などに息づいています。

教育の機会均等と「人間たれ」

 戦前の女工やモンペ姿の女学生に代表されるように、当時の日本社会では貧困やジェンダー(性差別)など抑圧された方々の多様な生き方や生きる権利がないがしろにされてきました。学園の設立趣旨には、戦後日本新生のためには、女性の社会進出や社会的地位の向上と女性の教育を受ける権利と機会の保障を強く謳っています。

 この主旨のもとに、1946(昭和21)年暁女子専門学校が、現在学園誕生の地にもなっている天カ須賀地区に設立されました。1949(昭和24)年には高等学校(3年制)に全日制普通科と家政科及び働く若者のために定時制が置かれました。1951(昭和26)年には男子生徒の募集が停止されることになり、女子校として、より一層の女子教育の充実が図られました。

 暁女子専門学校は、暁学園短期大学(のちの四日市大学短期大学部)へと改編され、家政学科、幼児教育学科、初等教育学科の他に1974(昭和49)年には幼児教育学科第二部が設置されました。

 現在は、定時制(二部)や家政科は廃止され、男女共同参画社会などの時代と地域社会の要請を受けて、いずれの校種も男女共学となりましたが、学園綱領「人間たれ」にもとづき、女子に限らず、多様な年齢層、教育階梯にもとづく教育機会を保障するという建学の精神は変わりません。それは後年の四日市大学や四日市看護医療大学の開学の精神にも貫かれています。

自立した人材を育てる「人間たれ」

 暁学園は、幼稚園から大学を擁する全国でも稀な総合学園です。学園綱領「人間たれ」は、各校(園)の教育階梯は異なってはいても、どのような子どもを育てるかという建学の精神で一貫しています。

 子どもたちの能力に信頼をおき、全面的な発達を目指して、いずれの能力にも偏しない総合的な生きるちからを育てています。人が未熟な段階から人間らしくなっていく過程で身につけるべきことは幾つかありますが、そのなかでも今日特に要請されていることは、異なる意見や立場の人間を一方的に排除しないで、困難を伴うけれどもそれを承知しつつ、合意と納得によって、双方の利益のために先頭に立って行動する人間に育てていくことです。幼児から成年にいたるまで自立していく過程を教育課程の中に組み込み、「自治的管理能力の育成」を教育ビジョンとして取り組んでいます。そのため70年有余の歴史を持つ学園は、学園で培われた能力を更に豊かな力へと開花させ、国内はもとより国際的にも多彩な分野で活躍する人材を輩出してきました。